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Japanese Newsletter

June 20, 2013

June 20, 2013 | Japanese Newsletter on

Youth Outreach Program

今週、ヘリテージ財団の大講堂では、ランド・ポール上院議員(ケンタッキー州)が300名に及ぶ若者たちにオフレコ講演を行った。

    憲法修正4条と若者向けプログラム

 

  今週、ヘリテージ財団の大講堂では、ランド・ポール上院議員(ケンタッキー州)が300名に及ぶ若者たちにオフレコ講演を行った。

 

  7階の大講堂は20歳前後の若者で一杯だ。これは、アメリカだけではなく世界中の若者に自由社会思想について勉強する機械を与えるThe Fund for Americaのイベントで、ヘリテージ財団は後援しているという関係だ。そのため、ヘリテージ財団のスタッフは受付に2,3人いる程度である。

 

   私はアメリカ人から見ると童顔のためか、参加しても良いとの返事をもらい、中に入る。

 

   ポール上院議員はタイム誌に最も影響力のある一人に選ばれ、しかも共和党では2016年の大統領候補の最有力とみなされている。そのため、登壇するや拍手に加えてエールもかかった。

 

   ちなみにポール上院議員は、毎回、大統領選挙に立候補するリバタリアン(自由主義)のロン・ポール上院議員(テキサス州)の息子である。二世だが、選挙区をついているわけでもなく、父親と同じリバタリアンに属せずに、純粋に共和党に属している。

 

   というわけで、日本でいうところに地盤を受け継ぐ二世とは異なるところだが、父親の全米の看板(知名度)は受け継いでいる。とりわけ2008年の大統領選挙では、毎回泡沫候補の位置にいた父ポール議員が、若者から思いのほか人気を集めていた。そのためか息子ポール議員もほかの上院議員に比べると若者からの人気が高いといわれている。

 

   この講演は、若者向けとあって、最近の問題と親子でが強く主張する小さな政府に有効性についてだった。最初に、ポール上院議員は、最近のオバマ政権のスキャンダルであり、Edward Snowdenエドワード・スノーデンがアメリカ国民の生活が政府に監視されていると告発した電話記録とメタデータ収集の問題をとりあげた。ポール議員は、NSA、国務省、FBIによる監視は不合理な捜索・押収・抑留 の禁止する憲法修正4条に反していると非難した。

 

   次に、効率性と自由の観点から「小さな政府」が望ましいと若者たちに説明した。効率性の観点では政府が使うよりも個人の決定のほうが無駄がなく、そして自由の観点では政府は必要悪であるため、治安、安全保障といった必要な部門にとどまるべきと語っていた。

 

 

キャピトルの丘

 

  ポール上院議員の講演で、気がついたことを2点紹介したい。

 

   1つは、まったく気を緩めないことだった。日本では政治家は、選挙の最終盤以外は、気さくな雰囲気を作ろうとしているように思われるが、ポール上院議員の講演では、基調講演でもQ アンド Aでも気軽な雰囲気は一切伝わってこない。ぴりぴりとした緊張感が漂い、聴衆と真剣勝負をしている感じである。

 

   アメリカ人の演説らしく笑いもこぼれるが、それは政策批判からのシニカルな笑いだった。しかもポール議員が笑顔を見せたので、それに従って聴衆が笑うという感じである。ちなみに、「アメリカ市民のすべての電話が盗聴される社会なんて嫌だ!」と「ガタカ (Gattaca) の映画を観ましたか?DNAの問題についての問題がよく描かれている」と言った時にポール議員から笑顔がこぼれ会場は笑いに包まれていた。

 

   面白い言葉や揚げ足取りの言葉で笑いをとることは一切なかった。

 

   2つ目は、若者プログラム自体の存在と参加者の質問だ。

 

   時間に限りがあるので質問は打ち切られたが、若者たちはどんどん手を上げる。「テロ対策として今回のメタデータ収集とTSA(空港のセキュリティ)ではどんな違いがあるのか、NSAの情報収集を告発したスノーデンはどんな罪を受けるのかといった質問が飛ぶ。

 

   ポール議員は前者の質問については、「TSAは重点を決めているがNSAスキャンダルは全員が対象だ。テロはアフガン、パキスタン、シリアなど決まった小数の国々の人ももたらされているのだからTSAのように重点を決めるべき」と答えた。ちなみに国を列挙し「小数」というところで間を持たせていた。その間は、「中東」という言葉が浮かんだが政治的に危険と判断しほかの言葉つまり「少数」をひねり出したかのようだった。

 

   後者の質問については「違法は違法だから終身、刑務所となるかもしれないが、告発法で守られる可能性も高い。政府がやったことは間違いだが法律を犯すことが正しいわけではない。私は法律を変えることで立ち向かいたい」とし、政治家として違法行為を諌めていた。

About the Author

Kumi Yokoe, Ph.D. Senior Visiting Fellow, Japan
Asian Studies Center