How Far Will Snowden Fly

COMMENTARY

How Far Will Snowden Fly

Jun 27, 2013 1 min read
COMMENTARY BY

Former Senior Visiting Fellow, Japan

Kumi is a former Senior Visiting Fellow.

   スノーデン事件はどこまで飛び火する?

アメリカ政府が個人情報を収集していることを暴露したエドワード・スノーデンに関するニュースは今や、世界を駆け巡っている。

暴露が公になる前に香港に移動し、現在は、ロシアからキューバに入りエクアドルに亡命を果たすのか、それとも、その前に、アメリカが彼を取り押さえることができるのかが、今週のニュースの最大の焦点だ。この事件は、映画のような事件であるが、アメリカ政府の問題を如実に表している。そのため、彼が亡命しても捕まっても、アメリカでは以下の4点で議論が続くだろう。

1つは、「なぜ、エドワードが、最高機密にアクセスできる高いクリアランスが必要な仕事のついたのか」と言うことだ。エドワードはCIAで働いていたが、CIAの職員ではなく、コンサル会社Booz Allen Hamiltonからの派遣社員である。彼は「NSAの暴露のためにこのポストをつかんだ」と彼がインタビューに答えたといる。このニュースが流れるや、ヘリテージ財団の国際問題チームは、「なぜ、彼が」「どこでクリアランスを得たのか」とメールで議論していた。この事件を受けて、国防総省はすでに外部契約する個人との契約を全面見直しに入ったとされる。今後は、クリアランスが必要な職種への派遣職員の契約過程は見直されることになるだろう。

2つ目は、国家安全保障とプライバシーとの兼ね合いである。これは、もっとも大きなテーマであり、容易に結論も出ない。テロ対策とはいえ、政府が個人の電話の会話まで盗聴することは、行き過ぎだとするのか、911同時多発テロ事件以降のアメリカでは必要な安全保障であると考えるのかで、意見は異なってくる。時々の状況が大きく考えを左右することが考えられるテーマだけに、今後も議論されることになる。現在のワシントンでは、民主党も共和党も安全保障を優位に考えているが、IT企業が多い西海岸では、後者の意見が多いようだ。

3つ目は、告発法との兼ね合いである。「NSAの暴露のためにこのポストについた」との発言が出る前は、政府の間違いをただすための「告発者」つまり告発法で守られる対象の可能性もある、という見方もあった。だが現在では、告発するだけで、大量の書類をメディアにばら撒いたことと、上記のようにインタビューで答えていることから、告発法で守られるべき、という」声はワシントンではそれほど聞こえてこない。

4つ目は、外国との関係である。アメリカに引き渡さずに、香港からロシアに移動させた中国、そして入国させ、しかもアメリカとの国交のない国への渡航を許すロシアに対してアメリカは非難を強めている。冷戦は終わったといっても、やはりロシアと中国という共産圏との間には強固で高い壁があると、アメリカは再認識したと言われている。

 

キャピトルの丘

ワシントンDCの動物園からレッサーパンダが逃げ出した。大捕り物劇が繰り広げられ、パンダのRustyは、無事に動物園に戻った。

パンダモニアと言われるほど、首都ワシントンの人々がパンダ好きであることは有名だ。地下鉄の切符の絵も笹を食べるパンダのイラストであるほどだ。このニュースも大きく取り上げられていた。さて、ワシントンDCの動物園について一か月ほどのオスの一歳のRustyは、どうやって、見つけられたかというと、まさに、「現代」ならでは、だった。

ワシントンを訪問した家族が、ランチを食べようと歩いていた。その時、1メートルほどのラクーンのような愛らしい動物が木の上を歩いているのを家族は見た。

夫は「ラクーンみたいだけど…。」と。妻は「違うでしょう。なんかレッサーパンダみたいじゃない?」とスマホで写真をパチリと撮ってSNSにアップした。そして、動物好きの夫の母は「動物園にしらせなきゃ」と動物園に電話した。この家族は、写真を見たFacebookの友達から動物園からレッサーパンダが逃げたことを知らされるまでは、レッサーパンダが逃げ出したことを知らなかった。スマホと夫の母の機転で、レッサーパンダは動物園に戻ることができたのである。

動物園の周辺は、ワシントン最大の繁華街Dupot Circleから地下鉄で一駅のにぎやかな街だ。だが、同時に、森に囲まれた地域でもある。住宅と住宅の間は森のような木が茂っている。レッサーパンダはその森と住宅と繁華街の中で大冒険を繰り広げていた。

インターネットが一般化した際に、アメリカの地方政府は、地図に写真をあげて問題は伝えるシステムを早々に作っていた。例えば、道路に穴があいているときは、その写真をとってその場所の地図に張り付ける、といった具合に使う。

まさに、スマホの写真と地図情報は、今後、行方不明を探す最大の武器になる。写真や動画の検査が進めば、夫の母から妻の電話がなくても、動物園はレッサーパンダを探すことができるだろう。例えば、動物園はレッサーパンダの写真情報を入力し、これからアップされる写真とマッチすれば、動物園はその写真情報を入手してその場にアクセスする、といった具合である。もちろんこの場合、動物園がSNSなどの写真情報にアクセスする権利があるかどうかは議論が必要なところだ。

レッサーパンダの逃亡劇の捕り物劇はスノーデンが暴露したNSAの情報収集と関係ないようでメタデータの取り扱いというところでは関係がある。

どのように使うかは議論をされるべきとして、とにかく、これから、ますますデータは増えつづけていく。

来週のニュースレターは独立記念日のためお休みです。

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