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Japanese Newsletter #59

October 18, 2012

October 18, 2012 | Japanese Newsletter on

テレビ討論会が熱い  

大統領候補による2回目のテレビ討論会が、10月16日行われた。

こんなにドキドキするテレビ討論会が今までにあっただろうか。真剣勝負の緊張が画面を通して伝わってくる。討論会に釘付けになりながら、心臓の音がどんどん高くなっていく。

日本メディアの支局長が「死闘」と表現したが、まさに11月6日まで死闘は続くことは、このテレビ討論会が証明しているようだ。

 

16日のテレビ討論会は、オバマ大統領にとっては背水の陣だった。党大会以降、オバマ大統領の再選を予想する声が大きかったが、10月3日のテレビ討論会を制した共和党のミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事は脅威の巻き返しを見せていたからだ。

 

16日のテレビ討論会の果たして結果は、と言えば、オバマ大統領が踏みとどまるのに十分な勝利を収めた、と言えるだろう。

CBSではオバマが勝利したと答えたのは37%、ロムニー30%、CNNの調査でもオバマ46%、ロムニー39%だった。

 

前回と今回のテレビ討論会は異なる手法で行われた。

 

この違いが両者の結果に反映されていたように思われる。今回は、参加者が質問し、参加者に語りかける今回のタウンホール・フォーマットではオバマ大統領の本領が発揮された。しかも、オバマ大統領の前回の失敗が大きかっただけに、オバマ大統領に軍配が上がったと言われている。

 

今回の討論会は両者とも善戦した。内容的には互角の戦いだったとも言われてるが、2つの点でオバマ大統領に一日の長があった。 

 

1つは、観客とのコンタクトである。多数への直接対話はオバマ大統領の得意とするところである。

16日のオバマ大統領は第1回とは打って変わって始終リラックスした面持ちであり、ロムニー候補以上に観客とのコンタクトに成功していた。

立ち姿も余裕があり、最後の握手にもそれは表れていた。討論会が終わるやオバマ大統領は端に座る観客に握手したが、ロムニーは妻が座る場所に近寄っていた。

2つ目は、ロムニー候補が国際問題については、今までのように舌鋒を決められなかったことだ。ロムニー候補は、雇用や税金といった経済政策では滑らかに終始したが、国際問題については弱い印象を与えていた。

 

さらに、司会者もオバマ大統領に味方したと取られる不運にも見舞われた。駐リビア・アメリカ大使館での襲撃の対応について、オバマ大統領が「テロ行為(Act of Terror)」とただちに言わなかったことを批判した際には、司会のCandy Crowleyに「大統領は、その時、確かに言った」と修正されてしまった。

 

実際には、オバマ政権も正式に「テロ行為」と規定したのは2週間後であり、直後の「Act of Terror」発言は一般論的な発言と言われている。討論会以後にCrowleyはロムニーも概ね正しかったと語っている。このオバマ大統領の発言は曖昧さを含んでいるため、現在、議論になっている。

 

10月22日に行われる最後のテレビ討論会は、ロムニー候補が得意とする第一回と同じフォーマットであるが、オバマ大統領に業績のある国際問題がテーマである。

 

最後のテレビ討論会は、今まで以上に熱い戦いになりそうだ。



キャピトルの丘

テレビ討論会は年々少しずつフォーマットが変化している。1回目と3回目の大統領によるテレビ討論会は、15分づつ6つのテーマについて議論するフォーマットである。

 

第一回でオバマ大統領はつまづいたが、その原因は明らかに準備不足であった。口ごもったり具体的な事例ではなく一般論を展開することは、十分に議論する知識が不足していることを意味する。準備不足を露呈してしまったのである。

一方、共和党のミット・ロムニー候補は十分に準備していたことを印象付けた。

 

16日に行われた第二回目の討論会はタウンホール形式で、どんな質問が飛び出すかわからないフォーマットであった。さらに、司会者が突っ込んだ質問をして両者が激突した。ここでは、幅広い知識と瞬発力そして観客とコミュニケーションが試される。前述したように、議論の内容はそれほど大きな差はなかったと言われるが、観客とのコンタクトと背水の陣で準備したオバマ大統領が引き戻した。

 

盛り上がらないと言われた大統領選挙だが、テレビ討論会に関しては、2008年までの討論会とは比べられないほど手に汗握る討論が繰り広げられている。

 

アメリカの民主党と共和党のエリートの最高峰が見せる最高の政治ショーとなっている。第1回目の視聴率が6700万人、2回目が6550万人と言われ、ここ20年の最高視聴率を記録している。

 

日本も政治の季節である。

 

政局の議論にとどまるのではなく、どんなフォーマットでテレビ討論会をすれば首相の政策の力量が判るのか、と言う議論をした上でテレビ討論会が行われるようになってほしい。オバマ大統領とロムニー候補によるガチンコ対決を見るにつけ、そう思ってしまう。

About the Author

Kumi Yokoe, Ph.D. Senior Visiting Fellow, Japan
Asian Studies Center