The Heritage Foundation

Japanese Newsletter #32

March 15, 2012

March 15, 2012 | Japanese Newsletter on

電球が1つ50ドル?

2012年3月9日、50ドルのLED電球が販売された。

この電球は、2011年8月3日に行われた「L Prize」という米国エネルギー省がスポンサーになっている省エネ電球開発コンテストで、表彰されたフィリップス社の電球である。

このコンテストの電球の特徴は、12ワットの電力で従来の白熱電球60ワット分の明るさを持っていることと、75%以上がアメリカ製であることだ。賞金は1000万ドル、約82億円である。

L Prizeを受賞したこの電球は、10ワットの電球で60ワット分発熱し、3万時間使える。従来の30倍の使用できる計算だ。1日10時間の使用で10年近く電球交換の必要がない。ただし、値段は50ドルだ。

「L Prize」は、2007年に制定された「エネルギー自立法Energy Independence and Security Act」を受けて設立されたコンテストである。

エネルギー自立法では、100ワットの白熱電球は2012年をもって販売禁止、75ワットの白熱電球は2013年に使用禁止と定めている。L Prizeは、この移行を促すために設けられた。

Lコンテストの概要は、2008年12月に告知され、2011年8月、栄冠の手にした会社が発表された。そして、2012年3月、ついにその商品が市場に出たのである。

賞金を手にしたフィリップス社は、オランダ生まれの多国籍企業だが、このLED電球はアメリカで生産されている。ただし、選考過程からこの賞の存在に疑問が上がっている。

というのも、応募したのが、フィリップス社だけだったと言われている。この賞を受賞しても将来の企業収益につながらないと判断された可能性だ。

現在、受賞電球の問題は、価格が高いことだ。L Prizeは電球の価格は初年度22ドル、2年目15ドル、3年目には8ドルと規定していたが、この電球の価格は50ドルである。

従来の白熱電球は1ドル程度である。一方、LED市場にはすでに新製品の波は起きている。メキシコ産の Lighting Science Groupは23.97ドル、フィリップス製でも中国産は24.97ドルである。

ヘリテージ財団のウォルター・ローマンは、「これは政府の役割でないと思う。ヘリテージ財団は、政府ではなく市場がイノベーションを先導すべきと考えている」と語る。

さて、この商品は生き残り、アメリカ産のイノベーションの引き金になれるのか、それとも税金の無駄遣いと言われるか。

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キャピトルの丘

ちょうど、このニュースレターが配送される3月15日木曜日夕方、ヘリテージ財団では、新しい在DC韓国大使の着任レセプションが開かれている。

チョイ大使は火曜日にワシントンに到着したばかりである。ヘリテージ財団が米韓関係の中核を担っていることがわかる。しかも、その日は、米韓FTAが施行される日でもある。

以前もニュースレターに書いたように、ヘリテージ財団は、2007年6月に米韓FTAが合意されてから、昨年10月に米国議会が、11月に韓国国会が米韓FTAを承認するまで、研究をとおして積極的に後押ししてきた。

一方、今週のホワイトハウスはイギリスのキャメロン首相の国賓訪問で忙しい。火曜日は、オバマ大統領とキャメロン首相はオハイオ州で大学バスケットボールを観戦し、水曜日はホワイトハウスの庭で国賓晩餐会が開かれた。

従来、キャメロン首相が率いる保守党と共和党はスタッフ交流を行うほど関係が深い。オバマ大統領の民主党はイギリスの労働とその関係にある。民主党のクリントン元大統領と労働党のブレア元首相は、選挙の手法でも協力し合ったことは有名だ。

だが、今回、国賓待遇のキャメロン首相のスケジュールはホワイトハウスが仕切っているため、全く、共和党関係者とは会うことはない、という。

共和党関係者は「ここまでホワイトハウスが国賓訪問を選挙に利用することは珍しい」と語る。オハイオ州への訪問はまさに、今年11月の大統領選挙を考えてのことだという。近年の大統領選挙では、オハイオ州を制することが選挙に勝つ条件の1つである。

昨年、FTAをめぐって議会が行われていた秋、韓国の李明博大統領はアメリカを国賓訪問していた。

現在、野田首相が5月初めにワシントンを訪問すると言われている。就任1年もたっていないので国賓というわけにはいかないだろうが、親密な関係を築く第一歩となってほしい。

先週、テネシー州で予備選挙の現地調査をしていた時、ブッシュ元大統領と小泉首相が一緒に行ったBBQリブが有名なレストランを見つけた。二人が仲良く写真に納まっていた。この時、ブッシュ大統領が、小泉首相がファンであるエルヴィス・ブレスリーが住んでいた家を訪れ、テキサスの農場でキャッチボールをする映像も流れていた。

東日本大震災以後、トモダチ作戦もあり、人のレベルでの日米関係は良好だ。ワシントンDCにいても、日本に対する暖かい目を感じる。

ぜひ、次は、野田首相にはトップ同士の良好な関係を、イギリスと韓国のように築いてもらいたい。私はヘリテージ財団が日米関係の中核を担うようになるように頑張ります。

About the Author

Kumi Yokoe, Ph.D. Senior Visiting Fellow, Japan
Asian Studies Center