The Heritage Foundation

Japanese Newsletter #27

February 2, 2012

February 2, 2012 | Japanese Newsletter on

Florida Primary

大方の予想どおり、1月31日のフロリダ州の予備選挙はマサチューセッツ州元知事のミット・ロムニーが大勝した。

予想通りとはいえ、フロリダ州でニュート・ギングリッチ元下院議長を圧倒的な大差で勝利したことで、ロムニーは胸をなでおろしたのだろう。現在までのところ、ロムニーはニューハンプシャー州で1勝をあげているだけだ。保守層が強いアイオワ州はリック・サントラムに1位を持っていかれたし、厳格なクリスチャンが多いサウス・キャロライナでは、投票日が近づくほどにギングリッチに追いつかれ、そして最後は勝利を譲ってしまった。

全米の大手新聞は、たとえロムニーが勝利したとしても票差が10%未満の薄氷の勝利であれば、ロムニーの先頭走者としての地位は脅かされると評していた。だが、ロムニーは、15%近い差をつけて勝利した。もし3位のリック・サントラムの票が2位のギングリッチに流れたとしても、ぎりぎりだがロムニーの勝利は揺るがないほどの票差だった。

ロムニーの勝利宣言は、今までで最高の出来の演説だったと言われている。ほんの少し涙ぐんでいるかのように見えた、という人もいるほど感極まっていた。

フロリダの予備選挙が、特別に注目を集める理由は3つある。

1つ目は、予備選挙の勝敗を決定する代表委員の数にある。

全国共和党は、今年の予備選挙では3月までは、勝利者が代表員の数を総取りすることを禁止した。つまり、票の割合で代表委員の数がそれぞれの候補者に振り分けられることになっていた。しかし、フロリダ州共和党はその決定に反旗をあげた。フロリダ州の予備選挙は「勝者総取り」を決定した。そこで、全国共和党は決定を守らないフロリダ州の代表員の数を半数の50人とした。だが、差が付きにくい予備選挙では、候補者にとってはいっきに50人の差がつく選挙は魅力的である。

共和党員に話を聞くと、「これだけマスコミが注目すれば、フロリダの共和党としてはこの予備選挙戦略は成功したといえるだろう」、とのことだった。

確かに、中心街のホテルは全米のメディアが結集しどこもかしこも満員だった。そして、ロムニーの勝利演説の会場にはマスコミが集中したため、ABCやNBCなどのネットワークとニュースで有名なCNNやFOXだけに会場内取材を認めていたほどだ。

2つ目は、フロリダ州が全米の縮図であることだ。

フロリダ州は、北東、北西、南東、南西、そして中心と約5つに分類でき、それぞれに特徴がある。例えば、北側は保守的な人が多い。一方、南側はボストンなどの東海岸からの退職者が多く、中心はヒスパニック移民が多いため、リベラルな人が多いと言われている。また、全国的にヒスパニックの割合は増えているが、フロリダはヒスパニック移民がもっとも多い州の1つである。そのため、今後、選挙に影響を与えるヒスパニック票の行方を読むことが出来る。

そのため、フロリダ州で勝った候補者は、本選挙でもっとも相手候補と渡り合える候補者であることを、全米に知らしめることができる。最近の共和党の予備選挙では、フロリダ州を制した候補者が、大統領候補の指名を得ている。

3つ目は、共和党はフロリダ州を2012年大統領選挙の要の州としていることだ。2012年の共和党の全国党大会は、ロムニーが勝利宣言を行った、ここフロリダ州タンパのコンベンション・センターで8月に行われる。

11月の本選挙でも、フロリダ州の勝敗は、大統領選挙の結果に直結する。フロリダ州は、共和党が制するときもあれば、民主党が制するときもある。しかもフロリダ州は、カリフォルニア州、テキサス州に次ぐ本選挙の代表委員の数を有している。

さて、このままロムニーは、先頭走者の地位を維持して、候補者指名を得るのか、またはギングリッチが盛り返すのか。

今後は、共和党と民主党の間を揺れ動くミシガン州、そしてロムニーが弱くギングリッチが強いとされるサウスと呼ばれる州の予備選挙が続く。そして3月6日にはスーパー・チューズデーがやってくる。

ロムニーはタンパの勝利演説で「激しい予備選挙は分裂ではなく、本選挙への準備である」と語った。共和党は、時期が遅い州でも予備選挙に影響を与えられるように規則を変えた。

共和党が予備選挙を通してどんなかたちでまとまっていくのか、とても興味深い。



編集後記 フロリダ・タンパから

フロリダ州の予備選挙の結果が出た後、東海岸時間の午後9時、初めて電話でのテレカンファレンスを行った。

思った以上に多くの人に参加いただき、おかげさまで上々の開始となった。

最初に私が、以上の3つの要因を話、その後、電話参加されている皆さんから質問とコメントを頂いた。フロリダ州とサウス・キャロライナ州の違いの質問や、フロリダ州の結果が今後の予備選挙にどんな影響を与えるか、今回の選挙では何が投票行動を決定する要因だったのか、経済状況は選挙に影響を与えているのかという質問を頂いた。

同時に、サウス・キャロライナのギングリッチ勝利を心配する共和党大御所たちがフロリダ州でロムニーを勝利させることで団結していた、というコメントを頂いた。そのおかげで、私自身、ロムニーの勝利演説会場の活気が理解できた。

午後6時にコンベンションセンターに入ったが、すでにロムニーの支持者と全米から集まったメディアでごった返していた。会場には、前もって登録した支持者と全米大手メディアしか入れないほどだった。会場入り口には、プロレスラーのようなスタッフが、会場に入るパスを持っているか確認をしていた。

一瞬、これで負けたら恰好がつかない、と心配したほどだ。それほどに、ロムニー陣営はフロリダでの勝利を確信していたと言えるだろう。

前日には、ギングリッチの遊説会場を取材したが、集まった支援者とマスコミの数が同じぐらいだった。ギングリッチを紹介したのは、一時、共和党予備選挙で最も人気が高かったハーマン・ケインだったが、ロムニー側に比べると勢いに欠けていた。

遊説と選挙事務所の雰囲気で、勝敗がある程度予想できることは日本の選挙と似ている。

参加頂いたみなさん、本当にありがとうございました。

今後も予備選挙で現地取材を続け、その都度、テレカンファレンスを行います。ヘリテージ財団のネットワークを活かして特別な情報と分析を提供していきたいと思っています。

テレカンファレンスは、トールフリー番号に電話して、パスワードを入力するだけです。電話をかけた人、全員が、つながっています。私の声も皆さんに聞こえます。参加者の方の質問もコメントも全員が聞けます。

どんどん参加してください。

テレカンファレンスのお知らせは、随時、ニュースレター・メールで配信します。

About the Author

Kumi Yokoe, Ph.D. Senior Visiting Fellow, Japan
Asian Studies Center