The Heritage Foundation

Japanese Newsletter #22

December 15, 2011

December 15, 2011 | Japanese Newsletter on

The Day America Becomes Energy Exporter

アメリカでは、現在、エネルギー革命が進行している。

アメリカの地層の中の頁岩のなかに豊富な天然ガスと石油があり、それを取り出す技術が近年、飛躍的に改善された。そこで、各地では、とりわけシェールガス(頁岩ガス)とシェールオイルがブームになっている。

現在、ノース・ダコタ州にもたらされている恩恵は有名だ。全米の失業率が9%前後に達しているのに対して、ノース・ダコタ州の失業率は3.5%に過ぎない。

エクソンモービル社、2025年までに、天然ガスは石炭を抜いて、世界第二位の燃料になる、という見通しを発表している。ちなみに第一位は石油である。

このまま資源の開発が進むと、アメリカは資源の輸入国から輸出国に転じる可能性さえあるほどだ。

アメリカの土地に眠る天然ガスと石油の埋蔵量は、中東よりも多いという調査結果もある。

現在、アメリカが資源開発に沸く背景は3つ考えられる。

1つは、長引く不況から抜け出せないことになる。

アメリカの経済学者と話をすると、経済成長を生むのは、資源、土地、金融、そしてイノベーションと言われる。

現在の不況は、リーマン・ショックと言われるように金融界が引き金になっている。そして、土地の価格も値下がりしている。残るは、イノベーションと資源になる。

イノベーションが起きた発掘技術による資源開発は、まさに経済学的に経済成長を達成する基本通りである。現在、グリーン・エネルギーからは新しい雇用はそれほど生まれていないが、補助金がつかない従来型のガス・石油の資源開発からは多くの雇用が生まれている。

2つ目は、中東の混乱である。

中東の混乱は石油価格を不安定にする。アメリカは、安定的な資源の確保は、安定的な経済状況に加えて安全保障的にも必要である。

ますます不安定になる中東、そしてプーチンが再び大統領に返り咲くロシアのエネルギー開発に頼ることも心もとない。

現在、アメリカは、アメリカの土地に眠るエネルギーとカナダなどの友好国からのエネルギー輸入で安定したエネルギーを確保したいという思いがある。こうなると、今まで石油市場を支配してきたOPECの力を弱くなるだろう。

3つ目は、膨大なエネルギーを必要とする中国の存在である。

カナダから石油を引くパイプラインの建設も先延ばしにしている間に、中国がカナダからの輸入に前向きな姿勢を見せている。

また、中国は、最近、海洋資源を求めて南シナ海や東シナ海で、衝突を繰り返している。

エネルギー需要国から供給国に転じるというアメリカのエネルギー政策の転換は、とりわけアジアでは大きな意味がある、と言えるだろう。アメリカの豊富なエネルギーが、新しい抑止力になる。

アメリカ国内に、アメリカの土地でエネルギー開発を行うことに反対者はいないわけではない。天然ガスと石油の採掘には莫大な水が必要になるので、環境汚染に加えて、とりわけ水の汚染が心配されている。

共和党の議員は、雇用対策という理由で、天然ガスと石油採掘、そしてパイプラインの建設を促す法案を提出している。一方、オバマ政権は悩んでいる。雇用優先の労働者と環境重視のグループが支持母体だからである。2012年選挙まで、様々な決定を先送りしたいという意図がオバマ政権から見えている。環境への規制は、2012年の選挙以後に本格化する見通しである。

こういった状況のためか、泡沫候補として当初見られていたニュート・ギングリッチ元下院議長が猛然と支持率を伸ばしている。ギングリッチは、石油採掘が経済の救うと繰り返していることで有名だ。現在、先頭走者のミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事に追いつき追い越す勢いなのである。

キャピトルの丘

クリスマスが近づき、キャピトル・ヒル周辺でも、ホリデー・シーズンの気配が漂っている。毎週行われる国際関係のミーティングでも、それぞれの分野の代表は、今週の動きは「ない」と口をそろえていた。こんなことは、私がヘリテージ財団に来てから初めてのことである。

ヘリテージ財団では、今週は、スタッフ全員集合会議と家族も誘うクリスマス・パーティが開かれる。スタッフ全員集合会議は3か月ごとに行われているが、今回は、9月に比べてさらにユーモアが絶えない和気あいあいとした会議だった。

クリスマス・パーティには、サンタクロースも登場する。クリスマス・マティーニからワインまでどんな飲み物も揃えるドリンク・カウンターもある。チキン、ビーフ、おすし、韓国焼肉タコス、とうもろこしプディングに、グラタンと食べ物もふんだんだ。あちこちに、クリスマスのおしゃれをした子供たちが走り回っている。

ロビーに飾られた大きなクリスマス・ツリーは、ホリデー気分をさらに高めている。

日本では、今年のキーワードは「絆」と発表され年末ムードが高まってきている。

アメリカでも、少し遅れて、Times誌が今年の顔を発表した。受賞者は、「反攻する人」だった。アメリカだけではなく、中東でも反抗する人々は注目を集めた。

日米の一年を締めくくる年末恒例行事を比べると、日米の文化の違いが如実に表れている。

空気が大事な日本では、今年の日本の空気を示す一文字が話題になる。一方、アメリカでは活躍した人々をスコア化して、順位を発表する。空気そのものではなく、空気を作り出した人に焦点を当てている。

こういった違いがあるからこそ、日本とアメリカはお互いの短所を補い、長所を生かせる関係が構築できると言えるのではないだろうか。つまり、性質的に、最高のパートナーになれる可能性を持っている。

先月、日本大使館で行われたパーティでは、藤崎大使は「日本は回復している。」という力強い言葉であいさつを始め、アメリカのともだち作戦に感謝を述べた。そして、レセプションの最後には、「絆」「感謝」と書かれたリストバンドが配られた。日本人以上にアメリカ人がそのリストバンドを喜んでいた。

日本大使館は、アメリカ人の好みもしっかりと把握しつつ、かつ、DCにあっても、さすが日本の空気を捉えていた。

About the Author

Kumi Yokoe, Ph.D. Senior Visiting Fellow, Japan
Asian Studies Center