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Japanese Newsletter #62

November 8, 2012

経済政策よりも大事だったもの

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手に汗握った戦いは、結局、バラク・オバマ大統領再選で幕を閉じた。

オバマ勝利は、アメリカ国民が目の前の問題解決よりもアメリカの深層社会に広がる問題の解決を重視したといえるだろう。

 

オバマ大統領は、今回の大統領選挙を、「政策の違いで判断するのではなく異なるアメリカについてのVisionの選択」として位置づけていた。一方、共和党の大統領候補だったミット・ロムニーは「経済の建て直しを託して欲しい」と訴えていた。

 

つまりオバマ大統領はアメリカに横たわり続ける長期の問題をとりあげ、対するロムニーは今、アメリカが抱える問題を取り上げていたのだ。ロムニーが経済政策に集中していたのに対し、オバマ大統領は、黒人との人種問題だけにとどまらず、移民・宗教・同性愛などさまざまな範疇のマイノリティに平等の機会を与えるアメリカにしようとしている。

 

それは、今までの取り組みを見ると経済格差の是正に留まらない。選挙中に同姓婚を認める発言をしたように、同性愛問題も取り上げた。不法移民の子にアメリカ人と同じ権利を与えようとしてきた。ハリケーンへの対応もこの姿勢と一貫する。いずれのアメリカ人にも同じような生活が出来る権利を保障しようという姿勢が伝わっていた。

オバマ大統領は、ますます多様化するアメリカ社会に合うような政策を進めようとしてきた。

このことが勝因だったのではないかと思われる。

 

両者の姿勢は、テレビ討論会にも表れていた。とりわけ経済についてはわかりやすくかつ具体的に経済政策を攻撃し主張するロムニーに対して、オバマ大統領は、とりわけ精彩を欠いた第一回では、具体的な反論ではなく哲学で切り替えしていた。あまりに評判が悪かったので、第2回と第3回は方向転換しオバマ勝利と言われたが、それでも内容的には同等かあるいはロムニーのほうが上であったと、アメリカのマスコミの記者ですら認めている。

 

この後の選挙は、死闘と言う表現がしっくりくるほど、両者は死に物狂いで戦っていた。世論調査でもロムニーが先行するほどになっていた。

 

結果は、ロムニーは善戦してはいたが、オバマ大統領は選挙人でも個人投票数でも上回り、オバマ大統領には思った以上に確実な足場に支えられていた。

 

まさしく世論調査の質問には経済政策やリーダーシップといった政策であろうと人となりであろうと短期の視点での質問が並ぶ。

 

オバマ大統領に投票した人々の深層心理が反映させるものではなかったといえるだろう。

 

何しろオバマ大統領は黒人初の大統領である。敗北者にするわけにはいかない、と言う思いが多様化するアメリカと溶け合った結果となった。ここ40年間で再選できなかった大統領は民主党のカーター大統領と共和党のブッシュ父大統領だけである。カーター元大統領は、その後、一度も民主党の党大会に登場したことはない。

 

さて、オバマ大統領はどんな方向に進むのか。通常、二期目の大統領はノーベル平和賞を狙って中東和平を目論む。だが、オバマ大統領はすでにノーベル賞を手にした初めての大統領である。自分のやりたい方向に進めるという精神的特権を持っている。

 

ヘリテージ財団のエド・フルナー所長は、オバマ大統領はこの勝利を「強い信任」を得たと認識し、今までに例を見ないほど連邦政府の力を増大しようとするだろうと、懸念している。

 

オバマ大統領が、どんなアメリカを作ろうとしているのか、今後も注視していきたい。



キャピトルの丘

次期大統領候補に名乗りをあげると言われるフロリダ州のマルコ・ルビオ上院議員が、選挙後、共和党が乗り越えなければいけない問題についてインタビューに答えていた。一言で言うと、共和党は年長の白人男性だけにしか受け入れられていない、という現状だ。

 

だが、共和党は多様性を受け入れていないわけではない。何を言っても、モルモン教でしかもマサチューセッツ州知事時代にオバマケアの基となる健康保険を導入した穏和な思想を持つロムニーが大統領候補者になった。しかも投票数では互角の戦いを繰り広げた。つまり、共和党支持者は文句を言いつつも時代の流れを読みロムニーに集結していた。副大統領候補だったポール・ライアンも白人マイノリティのカテゴリーに入るカソリック教徒である。

 

問題点を指摘したルビオ自身は増え続けるヒスパニック・アメリカ人である。他に名前が挙がるニュージャージー州のクリス・クリスティ、イタリア系アメリカ人でカソリックだ。ライアンと並び3人ともカソリック教徒でマイノリティ白人である。

 

選挙翌日、フルナー所長はヘリテージ財団も多様化するアメリカにあわせた政策を提言しなければならない、と語った。

 

共和党は次の大統領選挙を目指して、この4年間でどのように進化していくのか、興味がつきない。

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