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Japanese Newsletter

July 18, 2013

July 18, 2013 | Japanese Newsletter on

Mimolette is off-limits!

ミモレットが食べられない!!

アメリカの食料品店からミモレットが消えた。ミモレットは小泉純一郎元首相の好物のワインのお供と知られ、森元首相から「干からびたチーズ」と評されたチーズ好きにはたまらないフランスさんのオレンジ色のハードタイプのものである。

アメリカでもミモレットはとても人気がある。ちょっとした高級スーパーマーケットのチーズ売り場に行けば、必ず存在感を示しているチーズであった。

それが、突如として消えたのであるから、チーズ好きのアメリカ人にとっては大問題となっている。

その理由は、突然、チーズについての規制が厳しくなったのである。

この3月から、FDAはミモレットの輸入販売を何の前触れもなく禁止した。理由は、ミモレットについたチーズ・ダニの数が多すぎるという。FDAは、チーズダニがアメリカ基準の1インチ四方にいる6匹以内という決まりを超えていることを理由にミモレットをニュージャージー州の港でストップさせた。現在、フランスから届いた3300ポンドのミモレットが留め置かれているという。

チーズは、かびとダニによって作られる発酵食材であり、とりわけミモレットは、チーズダニによって「からすみ」に似たまろやかな味が作られている。

チーズダニはミモレットの構成要素ではあるが、フランスからアメリカに輸出するに当たり、外についてるチーズ・ダニは、高圧の空気をかけてきれいに取り除かれる。だが、いくつかは残るし、しかもそれが増えるのは自然なことであるが、この春からチーズダニは突如として輸入官の目に留まってしまったのだ。

FDAはアメリカはミモレットの輸入は法的に禁止されているものではないが、基準を超えている、としている。

ワシントンポストは、ハーバード大学のチーズ研究ラボの発酵研究者Rachel Duttonにチーズダニの危険性についてインタビューした。彼女は、「チーズにチーズダニはつきものである」としたうえで「チーズのダニで調子を悪くしたという話は聞いたことがない」と語っている。さらに、「FDAの心配はわかる」とFDAに理解を示しながらも、何千年といはないが、何百年もチーズを人間は食べている。」と語っている。

DuttonはNPRのインタビューでも、「ダニアレルギーは確かに存在するが、チーズダニによる大きなアレルギーの問題は聞いたことがない」と語っている。

チーズ好きが多いNYでは、4月にミモレット輸入再開のデモが起きている。チーズ好きがこれまた多いワシントンDCでは小さな政府の思想をもつ媒体がミモレット輸入再開を訴えている。

リバタリアンで知られるCato研究所は「ばかげたFDAの取り組み」としたビデオを作成し規制緩和を訴えている。また、ワシントンタイムスは社説で「チーズダニにも自由を」と訴えている。ちなみにリベラルで知られるNPRは、1インチ立法に6匹以下のチーズダニは不可能だし、戦争とミモレットに関する噂も紹介しミモレットの重要性を報道していた。17世紀にミモレットは作られたが、その理由は、当時オランダと戦争していたフランスのルイ16世は、オランダの熟成ゴーダチーズを取り寄せることができないため、国策としてミモレット開発に乗り出した、という噂である。

ワシントンDC近郊のチーズ売り場を訪れたが、ミモレットは現在、売っていなかった。ミモレット派で規制緩和を実行した小泉元首相も、「アメリカにそんな規制はいらないんじゃないか」と言うような気がする。

 

キャピトルの丘

 

ヘリテージ財団の研究評価会議で必ず登場する単語の意味が、ようやくわかった。

 研究の目標と評価を決める会議では、必ず、「Scalp」という単語が登場した。「頭皮」「戦利品」という意味であるので、「目的」という意味で使われているのかな、と漠然と思っていた。

それが、日本ではこの参議院議員選挙からネット選挙が解禁という英語の新聞で取り上げられたとき、アジア研究のディレクターのウォルターから、「クミはよくニュースレターに『日本でもネット選挙が必要』と書いてたよね」とメールが来た。「そうですよ。私の最初の本のタイトルは『EPolitics』でほぼ2000年から言い続けてます。」と返事を出した。

すると、ウォルターは「クミがScalpを得た」と国際部の部長に報告するメールを即座にうった。

ようするに問題解決の達成は、ヘリテージ財団の研究員にとっては「戦利品」であり「Scalp」という言葉が使われているのである。

そのメールを見るまで、日本でのネット選挙解禁は、時代の流れだと思って、私の功績だとは全く考えもしなかった。言われてみれば、大きなうねりの小さくても一部分は形成していたと思う。NHKの視点論点でも話したし、本以外でも講演したり、雑誌に寄稿もしていた。

気づいていなかったことが功績として認められ、かつ新しい単語の使い方もわかってとっても嬉しかった。

そこで、新たな疑問が沸いた。この「Scalp」という単語はヘリテージ財団だけで使われているのか、それともシンクタンクの共通用語か?果ては、シンクタンクに限らずアメリカでは広く使われている言葉なのか?

ご存知の方があったら、ぜひ、教えてください。

About the Author

Kumi Yokoe, Ph.D. Senior Visiting Fellow, Japan
Asian Studies Center