The Heritage Foundation

Japanese Newsletter #42

May 24, 2012

May 24, 2012 | Japanese Newsletter on

台湾はF-16C/Dを調達できるのか?

5月17日、ヘリテージ財団では、「Challenging Convention in U.S.-Taiwan Relations(試される米-台湾関係協定)」に関するフォーラムが行なわれた。

テーマは、1つの中国政策のもとで、どこまで米台関係を強化できるか、とういうことであった。

現在、台湾はアメリカとの間を行き来できるが、政府の高官同士が合える場所や台湾の旗の掲揚などに関して、様々な制約がある。

台湾議員連盟の共同議長をつとめるフィル・ギングリー下院議員は、基調講演で、「オバマ政権は台湾が必要としている武器を売らなければならない」と強調した。

現在、オバマ大統領は、F-16C/Dの台湾への販売は承認していない。ギングリーは、1400の中国のミサイルが台湾をねらっていることをあげ、現在台湾が保有するF-16A/Bを含めた装備のアップグレード(Modernization Package)は必要なステップだが、中国の脅威に対抗するのに十分ではない、との懸念を示した。

そして翌日、5月18日、「National Defense Authorization Act of 2013」の修正案が可決した。この修正案は、台湾に少なくとも66機のF-16C/D戦闘機を売却することを提案している。

この修正案を提出したケイ・グランジャー下院議員はTaiwan Airpower Modernization Act of 2011もスポンサーしており、米議会では武器輸出に関する鍵を握る人物である。 

グランジャーによると、この売却で87億ドルの経済効果がり、およそ7.7億ドルの税収が見込めるという。

グランジャーの選挙区はテキサス州で、台湾が輸入を目指す戦闘機F-16C/Dや日本が購入を決めたF-35の生産に大きく関わるLockheed Martin Aeronautics Companyの本社がある。

中国はこの修正案の可決について不快感を表明している。さらに5月18日国防総省が発表したレポートは、中国の軍事拡張を懸念していた。

こういう状況下にあり、台湾にとっては、アメリカから最新の武器購入は優先順位が高い。

軍事戦略を考える際、どんな武器を持っているかは、戦略を作る際の出発点である。武器は高価なものだが、軍事戦略の策定では基礎中の基礎である。イギリスの安全保障の大学院では、最初に武器の種類を徹底的に暗記すると言われているほどだ。自国で生産ができないとなると、友好国から購入するしか武器を持つ手段はない。

アメリカも武器輸出は先端技術の輸出を伴うだけに、「安全保障に関する輸出規制」がある。友好国が、これについて話し合うラウンド・テーブルに参加すると、各国の武官はアメリカからの武器調達を容易にすることを強く訴える場面をよく目にする。

武器貿易は輸出する国にとっても輸入する国にとってもそれぞれの事情が交錯する。


キャピトルの丘

ヘリテージ財団の5月は、「プロテクト・アメリカ」強化月間である。そのため、各種のイベントは安全保障と関連する。

先日は、招待者オンリーのコンサバティブ・ウーマン・ネットワークと言う名の講演&ランチパーティのイベントが行われた。

後援者は、ミズーリ州出身の下院軍事委員会のメンバーであるVicky Hartzler 下院議員だった。Hartzler議員は、そのフェミニンな見た目とは裏腹に、軍事を得意とする下院議員である。彼女のミズーリ州の選挙区は軍事産業を抱えているからだ。

彼女は、講演で、アフガニスタンやイラクについて語り、イラン、北朝鮮を脅威としてあげたが、最後に、中国を脅威として強調とした。その上で、アメリカの国防費削減の流れに警告を鳴らしていた。

私は、質問時間に、日米関係について聞いた。

Hartzler議員は「日米関係は専門ではないのでわからない」としたものの、東日本震災以後「日米関係は非常に重要である」と再認識されていることを示した。

その後、「普天間基地の移転の問題についてどう思うか」という質問が出たがそれについても、専門外としていた。

軍事委員会の委員が日米同盟を専門外と答えるところに、安全保障とのパートナーとしての日本の存在の希薄さを感じはしたが、委員会で議論するほどの問題がない関係とも言えると、考え直した。

アメリカ人女性ばかりの講演であるので、日本について質問することに若干の躊躇があったが、それは、余計な心配だった。

私の後追い質問もさることながら、もう一人女性が、その後、催されたサンドイッチ&サラダ・ランチ・パーティで、「私の息子は来月からジェット・プログラムで日本に行くのよ」と話しかけてきた。

日本人的に「こんな質問、この場に合わないかもしれない」と考えてしまうところだが、こういう場所にいる特権を生かして、どんどん日本について聞いていきたい。

安全保障に関心がある方は、是非、今月のヘリテージのイベントにご参加ください。

横江 公美、博士、客員上級研究員、日本研究プログラム、アジア研究センター

About the Author

Kumi Yokoe, Ph.D. Senior Visiting Fellow, Japan
Asian Studies Center