The Heritage Foundation

Japanese Newsletter #35

April 5, 2012

April 5, 2012 | Japanese Newsletter on

オバマケアがついに最高裁に

3月26日から28日の3日間、米国最高裁判所は2010年に成立・施行された「患者保護と手頃な医療法(Patient Protection and Affordable Care Act: PPACA)」通称「オバマケア」に関する口頭弁論が行われた。

最高裁判所の周りには、賛成と反対の人々がシュプレヒコールをあげていた。

この最高裁での審議を受けて、ヘリテージ財団でも、3月27日、オバマケアに関する招待オンリーのイベントが開かれた。そこで、下院のスティーブ・キング議員はオバマケアは違憲であり当然廃案とならなければならない、と主張した。また、キャシー・マクモリス-ロジャース下院議員は、3月26日に発表されたザ・ヒルの世論調査を引用し、賛成が多いと思われている女性のほうが男性よりもオバマケアに反対しているほどだ、とした。

今回、最高裁で審議の運びとなったのは、オバマケア成立後に、いくつかの地方で訴訟が起き、そのうちの2つが最高裁判所での審議の対象となったからだ。

1つは、全ての国民が最低限の健康保険に加入しなければならないこと、それに反する場合は「追徴税」を払わなければならないことについて、違憲かどうかが問われている。

2つ目は、オバマケアの「すべての米国民が保険に加入しなければならない」という義務付けを違憲とし、法律全体を、「憲法で列挙され制限されている議会の権限を越えているという理由で、無効にするべきか」という質問状が出されている。

現在、最高裁判所の9人の判事のうち、レーガン大統領に任命された判事が2名、41代ブッシュ大統領(共和党)が1名、クリントン大統領(民主)が2名、43代ブッシュ大統領(共和)が2名、オバマ大統領(民主)が2名、となっている。つまり、共和党系が5名、民主党系4名の内訳となる。

こういう事情もあってか、オバマ大統領は、「違法判決が出ることは尋常なことではない」と警告を発している。

最高裁判所の判決は、6月に予定されている。

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キャピトルの丘

今週末はイースター、そして来週から2週間は下院も上院も休会とあって、今週のキャピタル・ヒルは、すでに休暇前の雰囲気が流れている。

議会スタッフの友達から、休会中だから、「夕食に行こうよ」という誘いメールが入ってくる。

だが、こういう時は、シンクタンクは忙しい。

議員や政治関係者が議会以外のことにあてる時間があるため、シンクタンクで講演する。しかも、来週から、ゴールデン・ウィークにかけては、ワシントンDCに日本の政治家の訪米機会も増す。

ヘリテージ財団も、例に漏れず、来週から何かと忙しい。

来週の13日(金)にはコンドリーザ・ライス元国務長官が国際問題について講演するし、共和党のエース、ポール・ライアン下院議員も再来週にまた、講演する。そして、4月16日には、前回アナウンスしたとおり、石原慎太郎都知事が講演する。

また、4月3日ヘリテージ財団の創設者エド・フルナー所長が、ブラッドリー財団の「今年の人」に選ばれた。そのお祝いの会もきっと近々予定されるだろう。

ゴールデンウィーク前後を利用してワシントンDCを訪問される方は、ぜひ、シンクタンクのイベントをネットでチェックしてみてください。思わぬ政治的有名人の話が聞けることがありますよ。

それから、久々に大統領選挙の話題をもう一つ。

4月3日メリーランド州、ウィスコンシン州、ワシントンDCで予備選挙が行われ、ミット・ロムニーが3州で勝利をあげ、大統領指名の地位を獲得しつつある。

リック・サントラムは、社会保守が多いと言われるウィスコンシン州で勝利したかったが負けてしまったため、4月24日の予備選挙が背水の陣となる。この日は、地元であるペンシルバニア州の予備選挙が行われ、ここでサントラムは敗れると撤退せざるを得ない。

この流れの中で、最近、注目を集めているのが、共和党大統領指名のフロント・ランナーを走るミット・ロムニーの妻、アン夫人である。

最近の遊説では、ロムニー候補とアン夫人は一緒に登場する。最初に、アン夫人がマイクを持ち、ロムニー候補を紹介する。

「43年間の結婚生活でもっともこの人を知る私が、この人こそ大統領になるべきだと思うの」と紹介するのである。

日本でも、政治家になりたいが妻が反対しているという話はよく聞くが、「妻があなたこそと言っている」という話はあまり聞いたことがない。

アメリカでも、妻が政治家になって欲しいと思える夫は珍しい、ということなのだろう。

演説がうまくない、と言われてきたロムニー候補だが、アン夫人がそばにいると、上手にできるし、選挙の不安からのいらいらも抑えられると言われている。

ベビーブーマー世代の離婚率は4人に一人と最も高く、最近ではニュースによく上がっている。

アン夫人の人気は、こんな世相にあるからこその反映と言えるだろう。長年、病気に苦しんだアン夫人だが、今回の選挙は全面的にサポートする。

一方、ミシェル・オバマ夫人も人気が高い。2008年の選挙の初期ではほとんど登場しなかった。同じキャリア・ウーマンだったヒラリーがクリントン元大統領の初めての選挙で不評を買ったがための戦略だった。だが、オバマ選挙では、ミシェル夫人は登場頻度をあげる度に好感度が高くなっていった。

2012年大統領選挙の選挙最終兵器は、両党とも「妻」になる可能性が高い、とアメリカのマスコミは伝えている。

About the Author

Kumi Yokoe, Ph.D. Senior Visiting Fellow, Japan
Asian Studies Center