The Heritage Foundation

Japanese Newsletter #38

April 26, 2012

April 26, 2012 | Japanese Newsletter on

コンドリーザ・ライス元国務長官が副大統領候補に!?

共和党の大統領候補が、実質的にミット・ロムニーに決まり、副大統領候補が話題になっている。

2008年共和党大統領候補だったジョン・マケイン選挙チームがサラ・ペイリンを副大統領に選び、マケインの敗北宣言に至るまでを描いたテレビ・ドラマ「ゲーム・チェンジ」にも出てきたように、副大統領候補には、大統領候補が弱い層を引き込む魅力が重要視されている。

とりわけ、大統領候補に圧倒的な人気がない時には、副大統領候補の集票率が期待される。

今までの世論調査を見ると、大きく引き離されているわけではないが、オバマ大統領のほうがロムニーよりも支持率は高い。

そのため、ロムニーが副大統領に誰を指名するのかに注目が集まっている。

先週、共和党の副大統領候補に関して興味深い世論調査の結果がでた。コンドリーザ・ライス元国務長官が無党派層と共和党支持者から一番人気だったのである。

ライスは、「副大統領候補に興味はない」と何度も発言しているが、 CNN/ORCの調査によると、支持率26%を集めてトップに立った。2位は、21%を集めた、ついこの間大統領指名争いから撤退を表明したリック・サントラム元上院議員。そして14%でフロリダのマルコ・ルビオ上院議員とニュージャージー州知事のクリス・クリスティが同列3位であった。

奇遇にも、ライス元長官は先日ヘリテージ財団で「国際問題におけるアメリカの役割」というタイトルで講演したので、その内容を紹介しよう。

現在、ライスは、ブッシュ政権に入る前の古巣、スタンフォード大学に戻り、政治学の教授であるとともにフーバー研究所のシニアフェローを勤めている。

ライスは、現在アメリカをめぐる国際状況は、過去の 3つの変化から影響を受けているとした。

1つは、 2001911日の同時多発テロ攻撃、2つ目は20089月から始まった金融危機、そして3つ目がソーシャル革命とも呼ばれる「アラブの春」である。

ライスは、世界における勢力の均衡が変化している中で、アメリカはどのような役割を担い、どのようにその足跡を残していくべきか、ということをアメリカは考えるべきである、と投げかけた。

ライスは、アメリカがかつての自信を失っているとし、それは世界にとってもマイナスになる、と懸念を表した。

また、ライスは、インドとブラジルを、大きな人口を抱え、かつ多様な民族がいる中で安定した民主主義を維持しているとし、「何と言う奇跡だろう」と称えた。

アジアについては、中国の国内で起こっている変化を強調した。インターネットの普及は草の根を支えており、中国の指導部はこれからどうするべきか悩んでいるように見える、と語った。ライスは、中国については、軍事的な懸念はあるが、太平洋地域では日本、韓国、フィリピン、オーストラリアなどの強力な民主国家がアメリカと協力体制にあり、それらを考慮すると中国がアメリカやその同盟国を凌駕するには至らないだろうとの見方を示した。

ライスはアジアよりも混沌とする中東への懸念を示し、アメリカは中東の安定に向けた核となる戦略を計画・実行していていかなければならないと力強く語った。

このイベントの直前に北朝鮮がミサイルを発射し失敗したが、ライスは自ら基調講演で語ることはなかった。質問タイムでは唯一指名されたアジア系は、薄熙来(ボー・シーライ)の妻による「英国人毒殺事件」の一連のスキャンダルを踏まえた中国の状況について尋ねたので、結果として北朝鮮問題について、触れることはなかった。

だが、講演後、ヘリテージのメディアチームがライスにインタビューを行い、北朝鮮について尋ねている。

そこで、ライスは、北朝鮮の人々が飢餓に苦しんでいるので、食料を一つの政治的手段として使うことは心苦しいとしたが、北朝鮮にはミサイル発射は断固受け入れられない、という強いメッセージを送らなければならない、と食料援助の中止を訴えた。

この様子は以下のリンクで見られます。

http://blog.heritage.org/2012/04/13/video-condoleezza-rice-speaks-on-american-exceptionalism-at-heritage/  

  ライス元長官は、副大統領候補にならないとしても、今後も共和党の外交政策に影響を与えていくことは確実であろう。


キャピトルの丘

ちょうどライス元長官が控え室から大ホールに向かうところに、ラッキーにも出くわした。階段のドアを開けたら、ライス長官が 10 メートルほど前から歩いてきた。

白いジャケットに白いスカート、白いインナー、そして大粒の真珠のネックレス。ハイヒールも白だ。白の色合いは微妙に異なり優しい雰囲気を纏っている。

まさに、これ以上ないとも言える上品で優しい感じのキャリア女性のファッションであった。

私は、「キャリアウーマンルールズ」を書いていたとき、ラッキーにもライス長官(当事)に直接、質問する機会を得た。

「ライス長官のファッションは有名ですが、取り立てて気をつけていることはありますか?」と手を上げて聞いた。

そのとき、彼女は、顔一杯に笑顔を広げ「私は 5 歳の時からおしゃれが大好きでした」と語り始め、「毎週日曜日におめかしして教会にでかけることが楽しみでした」と答えてくれた。

今回は、あまりにも偶然に目の前にいたので、質問することもだきなかったが、いやみのないファッションと優しい笑みに「キャー、素敵」と心の中で叫んでいた。

私のように、ライス元長官に憧れる女性は、アメリカにも多いようだ。今回のヘリテージ財団の講演でも、「女性がガラスの天井を破って仕事をするときのコツを教えてください」とヘリテージ財団の女子インターンが尋ねていた。

ライス元長官は、びっくりするほど、素直に真摯な返答を返した。

「レストランや映画館にも行けないほど人種差別の厳しいアラバマで育った小さな女の子に両親は大統領になる可能性だってあるんだよ、と教育してくれた。そして彼女は国務長官になった。不可能を可能にする、これこそがアメリカよ。」と語ったライスは、にっこりとしながら真摯で最高に役立つアドバイスを送った。

「ガラスの天井を破るために、もっとも必要なことは、メンターと出会えること。私の場合は、ちょっと年配の白人男性だったわ。国際政治という分野の偉い人は白人男性ばかりだから。」と笑顔で答えた。

  さて、次はどんな素敵な女性が、アメリカの政治の舞台にライジングサンとして登場するだろうか。

 

About the Author

Kumi Yokoe, Ph.D. Senior Visiting Fellow, Japan
Asian Studies Center