The Heritage Foundation

Japanese Newsletter #25

January 19, 2012

January 19, 2012 | Japanese Newsletter on

Keystone XL Pipeline

1月18日、オバマ大統領は、カナダ・アルバータ州からアメリカ・テキサス州へ石油を輸送するための、キーストーン・パイプラインの建設を却下した。

カナダからのパイプラインは、雇用の創出とエネルギー安全保障の両方の面から期待が大きい。しかも、オバマ大統領の最大の支持母体である労働組合も、2万人の雇用が見込めるとも10万人の雇用が見込めるともされているキーストーン・パイプライン・プロジェクトには賛成している。

1月24日に予定されている一般教書演説でも、オバマ大統領は経済に最も焦点を当てると見られている。

それなのに、なぜ、オバマ大統領は、キーストーン・パイプライン・プロジェクトを、却下したのか。

現在の経済状況では、環境への配慮だけが決定要因とは考えにくい。

オバマ大統領の決定は、まさに、今年が大統領選挙の年であることを知らしめており、彼の支持基盤の一つである環境保護団体抱き込む必要がある。オバマ大統領は、拒否の理由を、「共和党によって強いられたものだ」と非難している。

つまり、オバマ大統領は、共和党に先導されてパイプラインを認可することはしたくなかったようだ。共和党は、賃金税減税延長を認めるかわりにパイプラインの認可を2月21日までに決定するように迫っていた。

オバマ大統領の今回の認可拒否は、決定の先送りである。しかし、石油を取り巻く環境は熾烈である。

実は、カナダのステヴァン・ハーパー首相は2月に中国を訪問し首脳会談を行なう予定になっている。中国は、カナダの石油を輸入したがっている。

オバマ大統領は、今回の認可拒否はカナダからの輸入を妨げるものではない、とハーパー首相に連絡を取っているが、その際に、ハーパー首相は、「アメリカの雇用に貢献するはずだ」と失望を表したといわれている。

共和党が多数派を握る下院は、直ちに法案を再度提出する準備に入っている。

日本とアメリカの経済自由度が下落、 2012年経済自由度指数

ヘリテージ財団は、「2012経済自由度指数」を1月12日に発表した。「経済自由度指数」は、ヘリテージ財団が1995年からウォールストリート・ジャーナルと共同で、各国の経済自由度を数値化して毎年発表している。

日本は71.6ポイントで、昨年の20位から22位に落ちた。法律や規制の効率性での80ポイントを超えているものの、政府の支出、投資の自由、融資の自由のスコアが低い。

指標の国別ページは、日本の問題の一例として、「非関税障壁が日本の貿易の自由を阻害していること」、それによって「日本が他国よりも自由貿易協定の追及で遅れている」ことをあげている。

自由度は100点満点で、80から100ポイントが経済的に「自由」、70から79.9ポイントが「ほぼ自由」。60から69.9ポイントが「やや自由」、50から59.9ポイントが「ほぼ非自由」、40から49.9ポイントが「抑圧されている」、と区分けされている。

「経済自由度指数」は、法律、小さな政府、規制の効率性、自由市場の4カテゴリーに大別されている。さらに、個人・企業が財産を蓄積できる程度、汚職の程度、財政自由度、政府の支出、ビジネスの自由度、労働者の自由度、通貨の自由度、貿易の自由度、投資の自由度、融資の自由度、の10項目に分けられ、それぞれの数値から「経済自由度指数」は算出されている。

2012年の順位は、1位が香港、2位シンガポール、3位オーストラリア、そして、その後、ニュージーランド、スイス、カナダ、チリ、モーリシャス、アイルランド、アメリカ合衆国と続く。10位中、経済的に「自由」に分類されるの上位5カ国のみである。

アメリカは、前年の9位から10位に順位を落としている。アメリカは2009年の80.7ポイントから今年の76.3ポイントまでスコアを落とした。これはオバマ大統領の不良資産救済プログラム(通称TARP)やドッド・フランク法(金融規制改革法)に代表される市場てこ入れ政策が、国の借金を増やし、規制を強化した結果であると言われている。

さらに、エド・フルナー所長は、「今回の指標は、6月30日でデータを閉じている。その後、アメリカの自由度はさらに悪化しているので、現在は10位にも入っていないだろう。」と硬直化するアメリカの経済的自由度を懸念する。

トップ10を見ると、アフリカからモーリシャスがランクインしたことは、今後のアフリカの発展を考える上でのヒントになるかもしれない。

リーマン・ショックで落ち込みが大きかったアイルランドが9位に入っていることも目を引く。編者によると「現在、アイルランドは他のヨーロッパに比べると安定した状態になっている」という。

アジアでは、台湾が18位と躍進し、アジア全体での自由度も2011年と比べて伸びている。

指数の編集の責任者であるヘリテージ財団のテリー・ミラーは、「経済自由度の高い国ほど、一人当たりのGDPが高い。つまり自由度が高いほど、豊かで、生活水準が高く、成長していて、貧困率も低い」と語る。また、「雇用や環境保護においても、自由とされる国ほど失業率も低く、環境保護も進んでいる。」という。

2012年経済指標は以下のリンクにあります。

リンク:http://www.heritage.org/index/default

About the Author

Kumi Yokoe, Ph.D. Senior Visiting Fellow, Japan
Asian Studies Center